米国はなぜ同盟国の信頼を失いつつあるのか?

米国は相手の利益を敬わず、力を乱用するため、同盟国の信頼を失いつつある。トルコの日刊紙「新暁新聞」論説委員のアブドゥラ・ムラドグル氏がこのような意見を述べ、米国とその同盟国の軋轢を解説している。
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「人同士と同じように、国家間でも最も重要なのは信頼です。力の乱用では信頼も、尊敬も勝ち取れません」

ムラドグル氏はこのように話し、米国は国際秩序のルールを守っているように見せかけてはいるが、実際は重視していないと指摘する。
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さらに、米国指導部は「自分たちが想像する通りの世界を見ている」といい、ほかの国々の世界観、価値観を考慮していないとの見解を示した。

「『相手の身になって考えてごらん」とはよくいいますが、米国はそれをしないのです。米国と違ったように世界を見る者はすべて敵と宣言されるのです。米国は壊すことはできますが創ることはできない。アフガニスタンやイラクの『国家建設プロジェクト』は塵と化しました」

米国の国際社会での動きは数百万の人の命を奪ってきたと指摘。また、傲慢、力、妄想の「毒されたコンビネーション」が社会を壊滅させることは歴史が証明しているとして、次のように締めくくっている。

「米国は沈まないといわれていたタイタニック号のようだ。乗客が自らの命を助けるために救命ボートに押し寄せている間に、船内オーケストラは何事もないかのように演奏を続けるのです」

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ムラドグル氏のようにトルコ人からこうした論調が出てくることは不思議ではない。というのも、米国とトルコは北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるが、その関係は悪化の一途をたどっているからだ。
トルコはロシア製対空防衛システム「S-400」を購入しているが、これを受け米国は、制裁として最新型戦闘機「F-35」供給プロジェクトからトルコを排除。その後も別の戦闘機の購入について交渉が進められているが、不調に終わればロシア産戦闘機の購入も視野に入ると報じられている。さらに、米国上院議員からは「トルコは東地中海における米国の最大の脅威」との発言が飛び出すなど、同じNATO加盟国から警戒される事態となっている。
このほか、トルコはウクライナ情勢の悪化後もロシアとの二国間協力を続けており、米国がこれを面白く思っていないのは想像に難くない。また、スウェーデンとフィンランドのNATO加盟問題でも当初は反対するなど、米国の頭を悩ませている。
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