米国、マスク氏の事業の審査を検討 ウクライナに関する発言で

米バイデン政権は、米実業家イーロン・マスク氏の事業を国家安全保障の観点から審査対象とするべきかどうか検討している。ウクライナに関するマスク氏の発言に米当局者は不快感を強めているという。ブルームバーグが消息筋を引用して報じた。
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バイデン政権は、ウクライナ情勢に関するマスク氏の発言の中にロシアに対する「友好的な立場」が存在することを認めた。これが米国の当局者と情報機関が「悪いことをした」マスク氏の事業を審査する方法を模索し始めたきっかけになったという。
マスク氏が率いるスペースXの人工衛星通信事業「スターリンク」だけでなく、ツイッター買収計画も審査の対象になる可能性があるとされる。
ブルームバーグはスターリンクについて、緊急事態が発生した場合にスターリンクが米国のバックアップ通信チャネルとなることに基づき、バイデン政権は国家安全保障の観点からスターリンクを審査する可能性があるとの見方を示している。
米情報機関はツイッター買収に関しても懸念を抱いているという。たとえば、マスク氏はツイッターを外国人投資家とのコンソーシアムで買収する計画で、そこにはサウジアラビアのアルワリード・ビン・タラール王子や中国系の趙長鵬氏が創業者で最高経営責任者(CEO)の暗号資産(仮想通貨)交換業者バイナンス・ホールディングスなどの外国人投資家が参画しているため、国家安全保障上のリスクが生じる可能性があ るからだという。
マスク氏は今月に入ってからツイッターにウクライナにおけるロシアの特殊作戦に関する一連の投稿を行った。マスク氏は3日、クリミアをロシアの一部として残し、ドネツクおよびルガンスク両人民共和国、へルソン州、ザポロジエ(ザポーリジャ)州については国連の監視下で住民投票をやり直すなどというウクライナ紛争の解決ビジョンを提示した。マスク氏は和平案に、ウクライナが中立を保つことも盛り込んだ。
イーロン・マスク氏、クリミアを真珠湾にたとえる
またマスク氏は6日、ウクライナ東部の複数の地域ではロシア人が多数を占めており、これらの地域の人々はロシアを好んでいるとツイートした。
ウクライナ政府はマスク氏の立場を批判、一方、ロシア政府は紛争を平和的に解決するためのマスク氏の提案を肯定的に評価した。なお、ロシア大統領府は、ウクライナのゼレンスキー大統領がロシアのプーチン大統領と交渉はしないと決定したため、すべての和平イニシアチブが打ち砕かれたと発表した。米大富豪のビル・アックマン氏も今月、ウクライナ和平案を提示した。
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