豪首相官邸によると、会談の結果として発表された共同宣言では、日豪両国は地域における最も差し迫った安全保障上の課題に対応するため、協力を深め、拡大していくとしている。
岸田首相は今後5年以内の防衛力の抜本的強化について話し、アルバニージー首相は支持。日豪が軍事演習などの協力を深め、相互運用性を強化する方針を示した。
また、昨今のエネルギー危機を背景に、液化天然ガス(LNG)の供給、投資などでも協力することを確認した。
産経新聞によると、岸田首相は共同記者会見でこの宣言について「今後10年の方向性を示す羅針盤となるものだ」と述べたという。
オーストラリアに近い南太平洋の島国・ソロモン諸島は3月、中国との安全保障協定に署名。中国軍基地の建設については両国は否定しているものの、安全保障分野での協力深化に日米豪などは警戒感を高めている。一方、台湾や尖閣諸島などの問題をめぐり日中間には摩擦が広がっている。
こうしたなか、日豪は対中国を見据え協力し、連携を図るというのが今回の安保宣言の狙いとみられる。同時に、この動きは米国や日本などが「自由で開かれたインド太平洋」の旗のもとに進める「アジア版NATO」形成の第一歩といえるのかもしれない。
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