トルコ・イスタンブルで関係者は次のように語っている。
「今の最重要課題は、ロシア産農作物の輸出に対する全ての制限の解除だ。そのなかには肥料も含まれる。というのも、穀物のほかにロシア産の肥料需要もあるからだ。また、必要とする国々が差し障りなくそれを受け取れるようになることも大事だ」
穀物合意の期限は11月19日に迫っている。
国連のマーティン・グリフィス事務次長は26日、穀物合意のいち早い延長を支持すると定例ブリーフィングで述べている。
「我々は今すぐにでも延長されるよう、専念している。これは市場にとって大変重要だ」
グリフィス氏はこの日、ワシントンで米国務省、制裁に関する責任省庁の代表者らと議論し、ロシア産農作物の輸出制限が解除されたという。
このほか、北大西洋条約機構(NATO)のイェンス・ストルテンベルグ事務総長もこの問題に関して言及。NATO加盟国はロシアに穀物合意延長を呼びかけており、食料を必要とする国への円滑な輸出を保証するよう要請したと表明した。
世界では食糧危機が深刻になっている。穀物が余っている国で融通しあうことができれば、この問題は解決されるはずで、ロシアも一貫して世界の食糧問題解決に貢献する意思を示している。
7月22日に結ばれた穀物合意では、ウクライナの黒海沿岸の港からの穀物輸出のほか、ロシア産の農産物や肥料を世界市場に供給できるよう各種制限を撤廃することが示されている。
だが、ロシア産の穀物輸出は円滑に進んでいないのが現状だ。ウクライナ情勢を背景とする西側諸国の対露制裁はこの問題を深刻化させている。