会見で黒田総裁は、最近の円安の進行は急速かつ一方的なものであり、こうした円安の進行は先行きの不確実性を高め、企業の事業計画策定を困難にするなど、日本の経済にとってマイナスであり、望ましくないとの考えを示した。
日本では9月の消費者物価指数が3%上昇した。この点について黒田氏は、2%の物価上昇率を安定的に達成するべく、必要な時点まで金融緩和を継続すると述べた。その一方で黒田氏は、現時点では2023年度においても物価上昇率が目標の2%に達成できるような状況にはならないとの考えを示した。また、日銀は今回、2022年度の物価上昇率の見通しを2.3%から2.9%に引き上げた。
また黒田氏は、物価については年末にかけてエネルギーや食料品、耐久財などの価格が上昇するが、2023年度半ばにかけてプラス幅は縮小されるとの見通しを示した。
景気については、資源高の影響を受けつつも、新型コロナウイルスのパンデミックの抑制と経済活動の両立が進んでおり、景気は持ち直しており、回復の方向に向かうとの考えを示した。
日銀はこの日、2022年度、23年度、24年度の実質国内総生産(GDP)の見通しを発表。その発表によると、日銀は今夏の新型コロナウイルスの感染拡大や海外経済の減速を踏まえて2.4%から2.0%に下方修正した。23年度も2.0%から1.9%に引き下げたが、24年度は1.3%から1.5%に上方修正している。
これよりも前、スプートニクは、日本政府が主張する「円安メリット」の中身や、円安の進行を止められない点などについて日本の専門家に話を伺った。
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