グロッシ事務総長は次のように述べている。
「進捗は遅く、非常に遺憾だ。なぜなら私にとっては原発の周りに安全ゾーンをつくることは当然のことだからだ。よくもまあ、原発を撃てるものだ」
ザポロジエ原発はドニエプル川左岸にあるロシア西部・ザポロジエ州の原発で、川を挟んでウクライナとも接している。特殊軍事作戦の開始直後からロシア軍の保護下にあり、同州のロシア編入後の10月には国営の新運営会社が立ち上げられ、ロシア基準に基づいた運転に移行している。
度重なるウクライナ軍による砲撃で原発の安全性に問題が生じたため、9月初旬、グロッシ事務局長が率いるIAEAの調査団が査察。IAEAの調査報告書では、原発の周辺を「安全ゾーン」とする必要性が訴えられているが、その後も散発的にウクライナの攻撃は続いている。
グロッシ事務局長は「どんな軍事的目的や必要性があろうと、それには首は突っ込まない。もちろん、私個人の視点や意見はあるが…とにかく原発を撃ってはだめだ」とも述べている。また、安全ゾーンの設定は「できるかわからない」と疑念を示している。
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