同シンクタンクがまず第1に挙げた兵器は、第4世代戦闘機「F-16」。世界26カ国に配備されており、これまでに最も成功した全天候型多機能戦闘機の一つとされている。
こうした攻撃兵器の供給は北大西洋条約機構(NATO)とロシアの直接対決の引き金を引きかねないほか、ウクライナ軍兵士は操縦に慣れていないのが懸案事項となっている。このため、旧東側諸国が持つソ連製「MiG-29」を供給する可能性が囁かれている。
2つ目は主力戦車「M1エイブラムス」。操縦や扱い方を学ぶのに多くの時間がかかるのが最大の難点だ。ドイツのオラフ・ショルツ首相も、緊張激化を防ぐという理由でウクライナに主力戦車「レオパルド2」を引き渡すつもりはないと表明している。
3つ目は射程約300キロの地対地ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、10月10日以降のウクライナ全土へのインフラ攻撃を受けた後、米国にこのミサイル供給の解禁を要請している。
だが、これまで米バイデン政権は前述のエスカーレーションのリスクを懸念し、ロシア領内の奥深くを攻撃できる米製兵器の供与を渋ってきた経緯がある。米国はこれまでに多連装ロケット砲「HIMARS(ハイマース)」を供与しているが、その射程は約80キロとなっている。
「19fortyfive」は最後に、対空ミサイルシステム「MIM-104(パトリオット)」を挙げている。これは日本にも対北朝鮮のミサイルを念頭に配備されている。20~30キロの範囲をカバーする守りに特化した装備で、ある意味ウクライナが最も欲している兵器といえる。
だが、米軍の機密性の高いシステムと連動しており、運用には地上での米軍による操作が必要になることも「供給しにくさ」を高めている。
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