「Collins英語辞書」によると、「Permacrisis」は「Permanent crisis」の略で、不安定・不安全の状態が継続する状態を指す。この言葉は世界で続く危機に関連する様々な言葉の一つで、政治的不安定性やウクライナ紛争、生活費の高騰、気候変動などを包括的にまとめたものとなっている。
今年の単語には、各分野の危機に関するほかの言葉も選ばれている。
例えば「Partygate(パーティー・ゲート)」は、英国のボリス・ジョンソン元首相が新型コロナウイルスの感染拡大で英国中がロックダウンの最中に、首相官邸でパーティーを開いていたことが明るみに出たことに始まる政治的スキャンダル。これが政治的混乱、閣僚の一斉辞任を招き、最終的にジョンソン政権は退陣に追い込まれた。
また、エリザベス女王が死去し、新国王にチャールズ3世が即位したことを受け、「Carolean(チャールズの)」という形容詞もよく使われるようになったと指摘されている。
エネルギー危機をめぐっては、「Warm banks(暖の銀行)」という言葉がランクイン。これは高騰した燃料価格を背景に、自宅の暖房費を払うことができない人たちが集まる場所のことを指す言葉だという。ウクライナ関連では首都の名前が伝統的なロシア語読みの「Kiev(キエフ)」からウクライナ語読みの「Kyev(キーウ)」になった。
日本でも例年12月、その年の流行した言葉を選ぶ「ユーキャン新語・流行語大賞」や世相を最も反映した一字を選ぶ「今年の漢字」が発表されている。