ウクライナからの穀物輸出船、2日は停止 プーチン氏は仲介役のトルコと会談

ロシアが参加を停止したウクライナからの穀物輸出をめぐる「穀物合意」に絡み、国連は1日、ウクライナ、トルコ、国連の3者が2日のウクライナからの穀物輸出船による海上人道回廊の通過を計画しないことで合意したと発表した。一方、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は仲介役のトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と電話会談。危機に瀕する穀物合意の行く末をめぐり各当事者が動きを活発化させている。
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穀物合意の履行や管理を担当するトルコ・イスタンブールにある共同調整センターのイスミニ・パラ国連代表は次のように述べている。

「ウクライナ、トルコ、国連は、11月2日は黒海の穀物イニシアチブ(編注:穀物合意)に基づくいかなる船の動きも計画しないことで合意した」

一方、国連はこの措置を2日当日だけの「一時的なもの」としており、3日以降の動きについては言及していない。ロシアの参加停止後の1日も3隻の民間船が海上人道回廊を通過していた。
穀物合意 現状と今後の展開
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一方、クレムリン(露大統領府)によると、プーチン大統領はトルコのエルドアン大統領と電話会談し、穀物合意について議論した。プーチン大統領はロシアの参加停止の経緯を説明し、合意への復帰のためには人道回廊を軍事目的で使用されない保証が必要だとの考えを示した。また、ロシアが食料危機に陥るアフリカへ穀物や肥料を輸出する用意があることも伝えたという。
両国は同日、外相電話会談や国防相電話会談も実施し、それぞれ穀物合意をめぐる状況について議論している。
ロシアは29日、いわゆる「穀物合意」への参加を停止すると発表。本合意の枠内で航行する民間船の安全は保障できないとした。
ロシア国防省は、参加停止の理由をクリミア半島のセバストポリ周辺海域でのウクライナによるテロ行為が原因と説明。29日午前、ウクライナはセバストポリ基地内外に停泊している黒海艦隊戦艦および民間船を攻撃した。攻撃を実行したドローン(無人機)は穀物合意により確保された航行ルートを部分的に飛行していた。
プーチン大統領はこれまでに、ウクライナがロシア船の安全な航行を保証しない限り、ロシアは穀物合意に復帰しないと表明している。
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