先に米国防総省はウクライナに4億ドル相当の追加軍事支援を発表し、この枠組みで旧ソ連製の戦車T-72を45両供与することを明らかにした。この発表を受け、アントノフ大使は次のようにコメントした。
「米国政府によるウクライナへの追加軍事供与の関連で強調しておきたいことは、我々のいわゆるパートナーらは相変わらず間違った戦略を選択しているということだ。戦場で問題を解決できると考えている。ますます多くの兵士と兵器を浪費し、今やロシアとの国境に部隊を展開し、状況は極めて緊迫している」
ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相によると、NATO(北大西洋条約機構)は2月以降、ロシアとの国境付近に駐留する多国籍部隊を2.5倍に増加させ、兵士の数は3万人にまで膨れ上がったという。
こうした事態を踏まえ、ロシアの相手はウクライナではなく、団結した西側であり、この勢力はロシアの国体破壊を目指しているとアントノフ大使は指摘した。
「我々を疲弊させ、我々から全ての経済的、軍事的資源を奪い取り、ロシアが国際的舞台で西側諸国と対等に対話する可能性を奪う状況を作ろうとしている。米国人が何をしようとも、我々は勝利を手にする。我々に他の出口はなく、我々の事業が正当であることに疑念はない」
その上でアントノフ大使は戦場で全ての決着をつけることができない以上、停戦交渉に向けた可能性を模索する必要性を西側に提案した。
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