熱帯や亜熱帯などに広く分布するスベリヒユは、乾燥した環境や、塩分の多い海岸近くでも生育できる植物として知られている。これまでは特に何の変哲もない植物と思われていたが、今回の研究でスベリヒユが土壌のセシウムを吸収し、茎や葉に蓄積できることがデータとして明らかになった。
実際にどれほどの効果があるのか確かめるために、研究チームは様々な濃度のセシウム溶液をスベリヒユの若苗にひたした。すると、1リットルあたり25ミリグラムのセシウム溶液にひたしても苗が枯れることはなく、むしろ積極的に葉や茎に蓄えて、抗酸化酵素を大量に生成したという。
チームはスベリヒユを原発周辺などのセシウムで汚染された土壌に植えることで、土を浄化するのに役立つかもしれないと考えている。また、安価に土壌洗浄を行えるだけでなく、スベリヒユの中に溜まった緑の塊を出すことで、蓄積されたセシウムを取り出すこともできるという。
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