北朝鮮は今、世界で最も核兵器使用の敷居が低い国だ。北朝鮮による核兵器使用を国際的に禁止したり制裁を行っているにもかかわらず、北朝鮮政府は2022年だけですでにミサイル発射実験を40回行い、核兵器の実験も間もなく行われると予想されている。一方、バルバッハ氏は、北朝鮮は開発の方向を戦術核から、弾道ミサイルで戦略核を長距離で飛ばすというように変えている。
北朝鮮は2006年当時、核兵器を専ら自衛のためだと称していたが、最近の核ドクトリンでは先制攻撃も想定している。これは、北朝鮮政府が核兵器使用の敷居を下げ、先制攻撃できると明言したことを意味している。
バルバッハ氏によると、北朝鮮は韓国の高圧的な対北政策に押されて核戦力を増強している。韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は、北朝鮮が韓国を攻撃した場合、いわゆる斬首作戦を行うと繰り返し述べている。
どうやって脅威を抑え込む?
同氏は、北朝鮮を核拡散防止条約(NPT)に加盟させることは、北朝鮮を核保有国として認めることに等しいと指摘している。しかし、欧米にとっては北朝鮮政府に核兵器開発を思いとどまらせる手段がないことに目をつぶることは、さらに危険な道となる。バルバッハ氏は、このような状況では、北朝鮮をNPTに参加させることが最良の選択肢だとみている。
「これほど強く自国の生存を核兵器に結びつけ、政治的、社会的、経済的に高い代償を払ってまで国民を犠牲にしようとする国は他にはない」
スプートニクは以前、米国は日本や韓国とともに、北朝鮮による核兵器の使用禁止令をめぐり、この地域で軍事演習を活発化する可能性があると報じた。
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