記者会見やホワイトハウスによると、会談の要旨は次の通り。
米中関係
バイデン大統領は習近平主席に対し、食料安全保障や保健衛生、マクロ経済などの分野で米中が協力する必要性を訴えた。
バイデン大統領は習主席、中国が様々な問題で米国と妥協する用意があると述べた。
習主席は、経済関係の政治化に反対すると表明。
両首脳はブリンケン米国務長官が近く訪中することで合意。
ウクライナ情勢
バイデン大統領は、ウクライナ紛争の文脈で核兵器使用を受け入れられないという見解で習主席と一致したと述べた。
台湾情勢
習主席は台湾の独立は「不可能」と示した。
米国は「一つの中国」政策を支持する立場を変えていない。
米国は中国が台湾に侵攻すると考えていない。
両者が最後に対面したのは7年前、習氏の訪米の行われた際の2015年。
バイデン大統領は会談冒頭、米国と中国は意見の相違を克服できることを示さなければならないと指摘した。習国家主席は、両国は二国間関係の「適切な方向性」を見つけなければならないと述べた。両首脳は冒頭発言の最後に、「誠実な対話」となることへの期待を表明した。
バイデン米大統領と中国の習近平国家主席
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ホワイトハウスは米中会談のテーマについて、先に、両国間のコミュニケーションラインの支援と深化のための尽力と、責任ある競争と、両国の利益が重なり合う、特に国際社会に影響する、国境を越えた憂慮のコンテキストでの分野での協働を話し合うと表明していた。
会談は両国の矛盾は解決できるか?=ロシア人専門家
ロシア高等経済学院、国家調査研究所で教授を務めるモスクワ国際関係大学のセルゲイ・ルジャニン教授は、今回の首脳会談による米中関係の改善は期待できず、様々な経済戦略により矛盾は一層深まる可能性があると指摘している。
「この矛盾は残存し、より厳しく、深刻になる。危機はこの先も拡大するだろう」
ルジャニン教授は、米中関係の分断はすでに2年前から貿易、関税、ハイテク分野およびチップ、半導体の輸入制限を背景に始まっていたと指摘している。
ルジャニン教授は「これらの矛盾は各レベルでまったく解決されていない」と付け加えた。