先にウクライナ保安庁は首都のキエフ・ペチェールシク大修道院(世界遺産に登録)、及び北西部ロブノ州の一部教会で「対情報作戦」を実施し、50人以上を拘束して尋問したほか、「ロシア寄りの文献」を押収した。
ウクライナ正教会はこれを受け、一部の聖職者に重罰を求刑する内容の起訴状が用意されているとし、懸念を示している。
ウクライナ保安庁はキエフ・ペチェールシク大修道院内で「鐘が鳴り渡り、ロシアの上に母なるルーシが目を覚ます、聖母がロシアを救う、母なるルーシが目を覚ます」という「ロシア支持」の歌が歌われていたとし、刑事告発していた。
キエフ・ペチェールシク大修道院のパーヴェル府主教によると、儀礼を担当したザハリヤ神父は今後、教会内での活動が禁止されたとのこと。その後、府主教はウクライナ主義のサイト「平和維持軍」で懲罰の対象リストに掲載されたという。このサイトにはジャーナリストやドンバス地域の義勇兵、及びその他の市民の情報が記され、「売国奴」と定義されている。
キエフ・ペチェールシク大修道院はウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系)の管理下にあるものの、5月に分離派のウクライナ正教会(2018年にウクライナ正教会からの独立を宣言)は大修道院の明け渡しを要求する声明を発表していた。ウクライナ正教会は分離派が保安庁を利用し、キエフ・ペチェールシク大修道院を自らの管理下に置こうとしていると懸念している。
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