中国の月探査プロジェクトの設計主任を務める呉偉仁(ウー・ウェイレン)氏によると、中国は月面に原子力発電所を建設する計画で、この原発は宇宙で稼働し、強力なエネルギーで中国の月面基地の長期的ニーズを満たす。
中国のエンジニアは、開発中の月面原子炉の詳細をいまのところ明らかにしていない。わかっているのは、その出力が約1メガワットであることだけ。サウスチャイナ・モーニング・ポストは出力について、地下バンカー、複数回実施可能な月面離着陸用モジュール、地球との通信システム、探査船への電力供給には十分なはずだと指摘している。
また同紙は、中国は2028年末までに月の南極付近に基地を建設する計画で、基地の初期構成には着陸モジュール、バンカー、宇宙探査機が含まれるとみられると報じている。また研究や作業のために月面車が使用され、これは基地で充電できるようになるという。
中国は基地の建設場所として、その照度の高さにより、月の南極付近を選んだ。緯度およそ89度では年間最大180日連続して太陽光が当たるため、宇宙飛行士が参加する月面探査ミッションの作業に最適だという。呉偉仁氏によると、月面基地の主要モジュールは月面に運ばれ、予定されている月探査ミッション「嫦娥6号」~「嫦娥8号」の過程で組み立てられる。
準備作業完了後、第1陣の中国人宇宙飛行士が基地に到着し、しばらくの間滞在する。宇宙飛行士の常駐は、今のところ予定されていないという。
スプートニク通信は先に、米航空宇宙局(NASA)が月探査計画「アルテミス1」ミッションで無人宇宙船「オリオン」を搭載した超重量級2段式スペース・ローンチ・システム(SLS)ロケットを打ち上げ、成功したと報じた。
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