メルケル氏によると、ウクライナでのロシアの特殊軍事作戦は予期せぬ出来事ではなかったという。
「『ミンスク合意』は損なわれた。2021年夏、バイデン大統領とプーチン大統領の会談後に私はエマニュエル・マクロン氏(仏大統領)と共に欧州理事会でプーチン氏との独立した欧州形式の議論を再び実施したかった。(しかし)反対する人がおり、私にはもうそれを推進する力はなかった。誰もが『彼女(メルケル氏)は秋にいなくなる』ことを知っていたからだ」
メルケル氏は、もし再出馬を決めていたら引き続きロシアとの対話を目指していただろうと述べた。一方、メルケル氏は、ドイツ首相として最後のロシア訪問で、「権力政治」の文脈において自分の時代は終わったことを理解したという。
「外交政策に関しては、私たちがその解決に向けてたゆまず努力してきた問題において、私はわずかな進歩も成し遂げることはできなかった。そして、それはウクライナだけではない。沿ドニエストル共和国とモルドバ、グルジアとアブハジア、シリアとリビアもそうだ。新たなアプローチの時代が訪れた」
メルケル氏は先に、ドイツ・ミュンヘンで開催された南ドイツ新聞(Süddeutsche Zeitung)の創刊77周年を記念する式典で、ロシアの参加によってのみ、欧州における恒久的な平和を達成できると表明した。
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