最大の被害を受けるビジネス
「東北電力の要求は必要に迫られたもので、予期せぬものではありません。というのも、エネルギー資源の価格の高騰とともに企業の出費も増え、それを補う必要があるからです。しかし、政府は電気料金の値上げ(最大33%)を許可し、一般消費者のために、国民の負担でこれを補填するという可能性は少ないでしょう。
しかも、日本人はそれでなくとも、これまで何度も、ありとあらゆる限りの場所で節電するよう要請されてきました。こうした状況を背景に、国民の不満は高まっており、それに伴い内閣支持率は低下しつつあります。そんなわけで、東北電力の要請はおそらく承認されないでしょう(あるいは部分的にしか承認されないでしょう)。
これは、特定の消費者グループの電気料金だけが値上がりするということを意味します。とりわけ、トヨタなどの自動車産業の大企業自身、そして大規模な生産が行われている商業施設やインフラ施設などに対する料金です。とはいえ、これらの消費者にとっての財政負担は、東北電力が要請している値上げが承認されなくても、かなり大きいものです」。
謝罪は最小限の出費で自らを救う
「補助金が直接、資金流入という形で行われるかもしれませんが、現状としてはその可能性としては低いでしょう。というのも、どんな国も、単に資金をばらまくということをあまり好まないからです。おそらく、導入されることにおなるのは、支払い猶予の延長や特恵税率などでしょう。これは政府にとって、もっとも受け入れやすいやり方だからです。
一方で、すべての消費者の電気料金を値上げするというのは、消費者価格全体が値上がりしているという現在の経済状況下で、国民の間でもっとも人気のないものです」。
経済へのリスク
「日本は普通、この赤字を国債の発行によって補填しています。普通、その期限は10年あるいは20年となっています。一方でこれは、6年連続で過去最大を更新している『国の借金』を増やすことになるのです」。