金正恩氏・娘の登場が意味することとは 次期指導者、それとも核開発の目眩ましか

北朝鮮の最高指導者・金正恩氏が11月以降、2回にわたって自身の娘と公の場に姿を表した。だが、この突然の娘登場のサプライズが何を意味するかについては、韓国や米国の専門家の間でも一致した見解がなく、様々な憶測が渦巻いているという。米政治専門紙「Politico」が伝えている。
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朝鮮労働党機関紙「労働新聞」によると18日、金正恩氏とジュエ氏の立ち会いのもと、新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17型」の発射実験が行われた。27日にも、2人が防衛産業の研究機関を視察し、職員らと写真撮影を行う様子が北朝鮮メディアによって伝えられている。
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視察先で弾道ミサイル「火星17」の発射に携わった職員らと交流する金親子

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視察先で弾道ミサイル「火星17」の発射に携わった職員らと交流する金親子

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視察先で弾道ミサイル「火星17」の発射に携わった職員らと交流する金親子

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視察先で弾道ミサイル「火星17」の発射に携わった職員らと交流する金親子

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視察先で弾道ミサイル「火星17」の発射に携わった職員らと交流する金親子

韓国メディアの報道によると娘の名前は「ジュエ」で9歳だとされている。
「Politico」によると、韓国・文在寅政権で大統領補佐官(南北統一・国家安全保障担当)を務めた文正仁(ムン・チュンイン)氏は、金正恩氏が自らのもっとも重要な財産である核戦力と家族との結びつきを同時に見せつけたかったとみなしている。また、この点で金正恩氏は、より閉鎖的だった父の故・金日成総書記とは違うとも指摘。だが、こうした動きがジュエ氏を次期指導者にしようとする動きとみるのは拙速とも述べている。
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一方、米戦略国際研究センター・朝鮮半島研究部長のビクトル・チャ氏は、金正恩氏のPRの一環だと指摘している。金正恩氏が政権に就いてから1年後、李雪主(リ・ソルジュ)婦人を公の場に連れ出し、その後妹の金与正(キム・ヨジョン)氏を公開したことに触れ、「こうした動きで金一族が今後も支配を続けることを見せつけているのだ」と述べている。
また、一部の専門家は、娘の登場がただ単に核開発や新兵器の実験への注意をそらすためにしたことだとしている。
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