ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は29日、SNS「テレグラム」の自身のページで、協議中止について「米国によってつくられた露米関係の非常に否定的な状況を考慮して政治レベルで決定された」と明らかにしたうえで、次のように綴っている。
「あらゆる方面でワシントンの最高レベルの毒性・敵意がみられる。米国の一つ一つの行動は、我々に対する全面ハイブリッド戦争の一環として、可能な限りロシアに害を与えようとする病的な欲求に支配されている」
また、ザハロワ報道官は新STARTの完全な履行のため、2023年に両国の協議を再開できるよう、環境づくりに向けた米側の尽力に期待したいとしている。
一方、セルゲイ・リャプコフ外務次官は協議が進展しないなかでも、条約の意義はあるとの考えを示した。
「条約は効果がある。なぜなら、他の全てのメカニズムは動いているからだ。そもそも査察は新型コロナウイルスの関係で双方の合意に基づいて中止されたものだ。(中略)協議については、条約に交渉延期の合意についても定められている」
新戦略兵器削減条約はロシアと米国の間で結ばれた軍縮条約。現在の条約は2011年に発効し、昨年延長された。この条約によって、両国の戦略核弾頭の配備数は1550個、その運搬手段の配備数は700基(機)に制限されている。一方、比較的低出力で射程距離が短い場合が多い戦術核については制限されていない。
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