スウェーデン、NATO加盟へ義務履行 トルコへ反政府活動家を引渡し

スウェーデンはトルコがテロ組織としているクルディスタン労働者党(PKK)の構成員1人をトルコ側へ引き渡した。スウェーデンはこれまでに、NATO加盟承認と引き換えにトルコのテロとの戦いに協力することで合意しており、実際に活動家の身柄を引き渡すのはこれが初めて。3日、トルコ放送局「NTV」などが伝えている。
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今回トルコ側に引き渡されたのは、2015年にスウェーデンで亡命申請したものの却下されたマフムト・タット被告。トルコでは6年10ヶ月の禁固刑を受けている。このごろスウェーデン警察に拘束され、2日にトルコ・イスタンブールに到着。現在、刑執行の準備が進められており、本人は独房に監禁されているという。
今回の引き渡しはルーマニア・ブカレストで開かれた北大西洋条約機構(NATO)外相級会談の2日後だった。会議でトルコのメヴリュット・チャヴシュオール外相は、「トルコ側はスウェーデンの加盟に対する決意に着目しているものの、合意履行の具体的措置を期待している」と述べていた。
【視点】スウェーデン・フィンランドのNATO加盟 トルコは本当に認めるのか?
スウェーデンとフィンランドは5月、ウクライナ情勢を受けNATO加盟を申請。だが、エルドアン大統領は、2国がトルコの反政府テロを支援しているなどとして拙速な加盟に待ったをかけた。
新たなNATO加盟には既存の全加盟国の承認が必要なため、トルコの同意が必須となっていた。6月にはNATOのストルテンベルグ事務総長の仲介のもと、北欧2国が反政府テロ組織を支援しないことを引き換えに、トルコが加盟を承認することで大筋合意していた。
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