モンゴルメディア「News.mn」などによると、デモの発端となったのは中国への石炭輸出をめぐり650万トン、18億ドル(2450億円)相当の石炭が「盗まれた」事件。モンゴルの複数の政治家も関与しているとの情報もあり、汚職で腐敗した政権への国民の不満が爆発した。
この情報が広まったあと、4日には首都ウランバートル市で大規模なデモが発生。一部の暴徒化したデモ隊が政府の建物に侵入した。デモは5日も収まらず、数千人にも膨れ上がったデモ隊が大統領宮殿前の広場を占拠して抗議を続けている。
インターネット上にはデモ隊が大統領宮殿に入っていく様子を捉えたとみられる映像も拡散している。
暴動を受け、ウランバートルでは非常事態宣言の発令も取りざたされている。法務相は非常事態宣言の発令を求めたが、5日の議会では現時点で発令する必要はないと判断。だが、今後事態が悪化した場合は必要な措置を取るとしている。
また、モンゴル政府は外交ルートを通じて中国当局に事件の捜査への協力を求めた。中央アジア・キルギスのメディア「CentralAsia」によると、中国当局が事件に関与した政治家の名簿をモンゴル側に引き渡したという。