実験ではロケットエンジンの点火を模擬したピストンを使い、実際のスペースシャトルの80分の1の大きさ(全長1メートル)を発射させた。するとマッハ7に達したシャトル模型は風洞(JF-12)内で、一瞬にしてジャンプ台から離陸した。研究者らによると、実験にかかる時間はわずか1秒間ではあったものの、必要な計測はすべて行ったため、ジャンプ台からスペースシャトルを打ち上げる可能性を確認するには 十分な実験内容だったという。
ジャンプ台から発射させる技術自体は目新しいものではないが、離陸速度が上がると強い乱気流が発生し、シャトルがジャンプ台からスムーズな離陸できないという欠点があった。しかし研究者らは今回、極超音速の状況下で、ジャンプ台の上向に傾いた部分を完全に平らにすることで、ロケットとシャトルが大気圏内で超高速で飛行する際に発生し得る抵抗を減らすことができたという。
風洞実験では、平坦な滑走路の端に到達すると、シャトルの前面上部に発生した衝撃波によって機体がわずかに浮き上がったものの、離陸直前に尾翼付近に別の衝撃波群が発生して、機首が下がった。しかし同紙によると、この相反する2つの力が相殺された結果、完全にスムーズな離陸が実現したという。
研究者らによると、ジャンプ台を使用することで、従来のスペースシャトルよりもはるかに少ない動力のロケットエンジンを使って、重量87トンの機体を約8秒で離陸させることができるようになる。これにより、スペースシャトルにかかる費用を大幅に抑えつつ、低地球軌道での飛行ができる ようになるという。
スプートニクは以前、米宇宙開発企業「スペースX」が米軍向けの「秘密に包まれた」機体を打ち上げたと報じた。
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