日銀 大規模な金融緩和策を修正 長期金利上限0.5%程度に引き上げ  黒田総裁「物価安定の目標実現目指す」

日銀は19~20日に開いた金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策の修正を決めた。これまでプラスマイナス0.25%程度としてきた長期金利の変動幅をプラスマイナス0.5%程度に拡大する。
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今月の金融政策決定会合のポイント:
長期金利の変動幅を0.25%程度から0.5%に拡大
0.1%のマイナス金利を維持
長期国債の買入れ額を月間7兆3000億円から9兆円程度に増額
フォワードガイダンス(先行き指針)は変更なし
日銀の黒田総裁は日本時間20日午後3時30分から記者会見を行い、冒頭で「緩和的な金融環境を維持しつつ、市場機能の改善を図り、より円滑なイールドカーブ全体の形成を促していくため長短金利操作の一部を見直すことを決定した」と述べた。 見直しの理由については「春先以降、海外の金融資本市場の変動が高まり、日本の市場もその影響を強く受けている。こうした状態が続けば金融環境に悪影響を及ぼすおそれがある」と説明した。
また黒田氏は「今回の措置により金融緩和の効果が、企業金融などを通じてより円滑に波及していくと考えている。金融緩和の持続性を高めることで物価安定の目標の実現を目指していく」と述べた。質疑応答では、今回の一部修正は金融緩和を縮小する出口戦略につながるのかという質問に対し、黒田総裁は「今回の措置は、出口政策とか出口戦略の1歩とかそういうものでは全くない」と指摘した。
日銀の国債保有率 初の5割超え

日銀、大規模な金融緩和策を修正

日銀は2013年4月4日、2%の物価安定の目標を、2年程度 の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現するために「量的・質的金融緩和」を導入した。「マネタリーベ ースおよび長期国債・EFTの保有額を2年間で2倍に拡大し、長期国債買入れの平均残存期間を2倍以上に延長するなど、量・質ともに次元の違う金融緩和を行う」とした。
一方、消費増税やエネルギー価格の下落などを受け、2016年に「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入を決定し、金融機関が保有する日銀当座預金に0.1%のマイナス金利を付与した。日銀当座預金を3段階の階層構造に分割し、それぞれの階層 に応じてプラス金利、ゼロ金利、マイナス金利を適用した。
その後は長期金利の変動幅を0.1%から0.25%に段階的に拡大してきた。
欧米がインフレ抑制のために利上げを実施すると日本の長期金利にも上昇圧力がかかったが、日本は利上げをせずに金融緩和を維持、10月には一時、1ドル=151円台まで円安が加速した。
円安や資源価格の高騰により、日本では電力料金や生鮮品など幅広い品目で値上げが進んでいる。
今回の事実上の利上げによって外国との金利差が縮小し、円高に振れる可能性があるとされる。
20日の東京外国為替市場の円相場は、日銀の金融政策決定会合の結果を受けて円がドルに対して買われ、一時1ドル=133円台まで値上がりした。約4か月ぶりの円高水準となった。
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