バイデン氏「イランとの核合意は死んだ、けど公言しない」と発言 動画が拡散

米国のジョー・バイデン大統領が支持者との交流のなかで、イランの核兵器開発をめぐる包括的共同行動計画(イラン核合意)について、「合意は死んだが、それを公言はしない」と発言した様子を捉えた映像がインターネット上で拡散している。米メディア「Axios」などが伝えている。公式な発言ではないものの、ただでさえ交渉が難航している核合意の復活が絶望的だと認めた格好となる。
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「Axios」などによると、SNS上で拡散している動画は11月4日、中間選挙戦でカリフォルニア州を訪問した際の集会で撮られたものだという。イランからの移民とみられる支持者の女性に「核合意は死んだとあなたは明言するか?」と迫られたバイデン大統領は次のように答えている。

「いいえ。たくさんの理由がある。それ(編注:核合意)は死んだ。けど公言はしない。長い話だ」

イラン核合意

英国とドイツ、中国、ロシア、米国、フランス、イランは2015年、イランの核開発計画を制限する代わりに対イラン制裁を解除するイラン核合意「包括的共同行動計画(JCPOA)」を結んだ。2018年5月、米国のトランプ大統領(当時)はJCPOAからの離脱と対イラン制裁の再開を決定。これを受けてイランは、段階的に核合意の履行を停止すると発表、遠心分離機の数やウラン濃縮度などについての制限を順守しないとした。
バイデン政権となり、核合意復活に向け米・イランの交渉が行われていたが、イランが制裁やイラン革命防衛隊のテロリスト指定の解除を求めたことなどにより、2022年3月に事実上停止に。だが、6月以降に欧州連合(EU)の仲介で、水面下で交渉再開の動きを活発化させていた。
イラン側は8月、それまでのイスラム革命防衛隊のテロ組織指定解除の要求を撤回するなど、一定の歩み寄りをみせていたものの、秋以降、イランでヒジャブの被り方が正しくないとして拘束され、その後死亡した女性をめぐる抗議デモやウクライナ情勢に関連した両者の政治的軋轢が深まり、交渉は停滞していた。
こうした間にもイランは核開発を着々と進めており、すでに核兵器の製造に必要な濃縮ウランを備蓄しているとされる。12月20日、米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー戦略広報調整官も、イラン核合意について「近い将来に進展は見通せない」と発言している。
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