前日の26日には、北朝鮮の無人機5機が南北軍事境界線(MDL)を越え、韓国領空を侵犯した。そのうち1機はソウルに到達し、他の4機は黄海の江華島周辺を飛行した。韓国軍は約5時間にわたって追跡し、20ミリ口径砲から100発を発射したものの、撃墜することはできなかった。
パク教授は、北朝鮮が韓国に発進させた無人機が技術的に完成度の高いものであるとは考えにくく、これは心理的に抑圧を賭けることを目的としたものであり、間違いなくグーグル地図へアクセスができるはずの北朝鮮がこれを完全に偵察目的で使う意味はないとの見方を示している。ところが最もシンプルな無人機でさえ、韓国軍は撃墜できなかった。
「ここで強いのは心理的なファクターだ。この無人機はそれ自体技術的には時代遅れで、偵察が発進の目的ではない。Googleでも韓国通信最大手のネイバーでもどんな情報にもアクセスは制限されていない。しかも軍事上重要な拠点は撮影していないし、龍山(ヨンサン、国防省、司令部、大統領府がある)まで飛んだわけでもない。仮に飛んだとしても無人機からは何も見えなかっただろう。北朝鮮はただ尹 錫悦政権の無能さを見せつけたかっただけだと思う」
この他にパク教授は、北朝鮮はソウルの地図と韓国の地理データをGoogleやネイバーなどのオープンソースでわざわざ調べたのではないかと推測している。その上で無人機を撃墜しにくいような、こうしたルートをたてたのではないだろうか。
パク教授は、北朝鮮はこれよりも完成度の高い無人機を有しているのではないかと推測している。
「今彼ら(北朝鮮)は技術的に古いモデルを飛ばしてきたけれど、どこかでより技術度の高いものは組み立てているのではないだろうか。だから今回のアクションの目的は当初から心理的に作用することだったと思う」