ウクライナでの露特別軍事作戦

米シンクタンク「軍事的現実、ウクライナ軍勝利のシナリオなし」

ウクライナの勝利のシナリオは存在しない。なぜならウクライナ軍にはロシアに対抗するだけの十分な軍事的手段が足りていないからだ。こうした分析を米陸軍退役中佐で軍事専門家のダニエル・デイビス氏が、米軍事シンクタンクの「19FortyFive」に寄稿したなかで示している。
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デイビス氏は2023年の展開について想定しうる複数の可能性を示しているが、ウクライナが勝利するというものはないと主張する。

「ウクライナ軍が勝つというシナリオはない。軍事的な現実はこうだ。ウクライナ軍には数十万のロシア軍を追い返すための大規模な攻撃をするだけの十分な装備や人員がないからだ。ウクライナは局地的な攻勢には出れるし、そうするだろうが、彼らは現在の戦線を守るための装備しか持ち得ていないのだ」

ダニエル氏は次の3つのシナリオを挙げている。
ロシアが冬季攻勢に出てドンバスを解放する
ロシアが冬季攻勢に出るがウクライナが抵抗し戦線が膠着状態になる
ロシアは攻勢に出ず、現在の勢力範囲を維持する
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また、米国にとってもっとも重要なことは直接参戦を避けることであり、「米軍は自国や条約で定められた同盟国に直接的な安全保障上の脅威がない限り、大規模戦争に引き込まれるべきではない」と主張し、次のように述べている。

「ウクライナにとってロシアに勝利するのは重要な国益であり、米国にとっても望ましい結果である。だが、米国が戦うリスクを冒すほど重要な国益ではない。米国がロシアとの直接戦争に入らない限り、この紛争がどう終わろうとも、米国の国家・経済の安全保障は維持されるのだ」

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