NATOとロシアの代理戦争、代償を払うのはウクライナ国民

ウクライナのアレクセイ・レズニコフ国防相は自軍がNATO(北大西洋条約機構)の使命を遂行していると表明したことは、ウクライナが NATOの代理戦争を進めていることの証左であるものの、その結果を被るのはウクライナ指導部ではなくウクライナ国民に他ならない。露軍事科学アカデミーの会員で、国際安全保障情報センターのアレクサンドル・バルトシュ博士がスプートニク通信の取材に応じた中で指摘した。
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先にレズニコフ国防相はロシア軍との戦闘を通して、ウクライナ軍はNATOのミッションを遂行していると表明していた。これを受け、バルトシュ博士は取材の中で次のようにコメントした。

「ウクライナの血肉と引き換えに、米国とNATOはキーウに兵器を供与しているが、これは代理戦争のシンプルな構図であり、ウクライナのレズニコフ国防相が言い換えたことである。さらに最近、米仏独は装甲車の供与を決定したが、これは新たなエスカレーションの一歩であり、それは激しい戦闘を引き起こすだけだ」

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バルトシュ博士によると、レズニコフ国防相は「最後のウクライナ人」に至るまでウクライナ側は戦う用意があるという姿勢を示すことで西側からの軍事支援に加え、身の安全に関する保証も取り付けているという。ウクライナ情勢が完全に悪化し、政府上層部が亡命を余儀なくされる場合、米国またはその同盟国に退避する道が確保されているとの見通しを示した。また、ウクライナで続く代理戦争の結果は最終的にはウクライナ国民が被るものであり、西側がその復興に資金を供給することもないと指摘している。

「ウクライナ指導部が国を離れた後、代理戦争の結果は多くの試練を耐え抜いてきたウクライナ国民が被ることとなる。今の指導部は資金を持たない以上、何もできない。米国及びNATOはウクライナの復興に資金を提供しないだろう」

そのため復興はウクライナ国民の肩に重くのしかかるとの見解を示した。
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