NHKや共同通信などによると、両首相は日本時間10日午後8時40分から約1時間にわたり会談。会談では外務・防衛当局の代表者が安全保障政策を協議する「2プラス2」の創設で合意し、両国の防衛分野での協力を一層強化する姿勢を示した。
また、会談ではウクライナ情勢、エネルギー問題などの世界的な課題についても話し合われた。厳しい対露制裁や強力なウクライナ支援など、従来の反露路線を継続していくことでも一致した。5月の主要7カ国(G7)広島サミットで議長国を務める日本の岸田首相としては、リーダーシップや西側諸国の結束強化をアピールしたい考えだ。
昨年12月、日、英、伊の3カ国首相は次世代戦闘機を2035年までに開発する「グローバル・コンバット・エア・プログラム(GCAP)」を発表している。GCAPは日本の次期戦闘機構想と、英国とイタリアがすでに乗り出していた戦闘機開発計画「テンペスト」を統合するもの。
機体開発を統括するのは日本の三菱重工業と英航空・防衛大手のBAEシステムズ、伊防衛大手レオナルドの3社。エンジンはIHIと英ロールス・ロイス、伊アビオが担当。電子機器は三菱電機とレオナルドなどが担うという。
岸田首相は9日、フランスを訪問し、エマニュエル・マクロン大統領と会談。イタリア訪問後には英国、カナダ、米国と欧米のG7諸国を訪問し首脳会談を行う。
岸田首相の次の訪問先、英国ではリシ・スナック首相と防衛・安全保障に関する相互アクセス協定を締結する可能性がある。同様の協定を日本は以前、オーストラリアと結んでいた。交渉は最終段階に入り、両国間の軍事コンタクトを促進する文書に署名する準備が整った。この協定により、互いの国での一時滞在のためのビザ取得が免除され、弾薬の輸入も容易になり、共同演習が実施しやすくなる。
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