ソユーズ宇宙船のトラブル 何が起こったのか 宇宙飛行士はどうやって地球に帰還するのか

ロシア国営宇宙開発企業ロスコスモスのボリソフ社長は11日、ラジエーターが損傷した宇宙船ソユーズMS-22について、国際宇宙ステーション(ISS)から無人で地球に帰還させると発表した。ソユーズのトラブルの原因や、これが宇宙飛行士に与える影響についてスプートニクがお伝えする。
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ソユーズ宇宙船に何が起こったのか?

2022年12月15日、ISS にドッキング中のソユーズMS-22で冷却配管の圧力低下が発生した。この影響でロシアの宇宙飛行士セルゲイ・プロコピエフ氏とドミトリー・ペテリン氏の船外活動が中止された。トラブルによりソユーズ内部の温度が上昇したが、その後、温度を安定させることに成功、現在、宇宙飛行の安全に関する脅威は一切ない。
宇宙船の熱制御システムは、内部(居住エリアの配管)と外部(取り付けられたラジエーターの配管)の2つの配管で構成されている。このシステムは、熱を取り除き、生活空間(帰還モジュールと生活エリア)及び宇宙船の機器・設備エリアを冷却するためのもの。
なお、ラジエーター部分で見つかった穴の大きさは1ミリ未満で、推進装置を含むその他のソユーズ宇宙船のすべてのシステムは正常に機能している。
ロスコスモスによると、外部からの影響で圧力の低下が発生した。同社のボリソフ社長は、ソユーズMS-22のラジエーターの損傷について、調査の結果、隕石の衝突が原因であることがわかったと発表し、欠陥があったとする説は確認されなかったと表明した。
ISSに関する米露の協力は続く=NASA長官

今後の予定

ボリソフ社長は11日、ソユーズMS-22で宇宙飛行士たちを帰還させることは不可能であるため、同宇宙船の乗組員のISSでのミッションは延長されると発表した。冷却システムにトラブルが発生したソユーズMS-22は無人で地球に帰還し、同機で帰還する予定だったロシアの宇宙飛行士セルゲイ・プロコピエフ氏とドミトリー・ペテリン氏、米国のフランシスコ・ルビオ宇宙飛行士の3人は、ソユーズMS-23で帰還することになる。ソユーズMS-23は、2月19日以降にISSへ打ち上げることができるという。
トラブルが発生する前、ソユーズMS-23の打ち上げは3月16日に計画されていた。ソユーズMS-23には、ロシアの宇宙飛行士オレグ・コノネンコ氏とニコライ・チュブ氏、米国のローラル・オハラ宇宙飛行士が搭乗する予定。
ボリソフ社長はまた、米国が「援助の手」を差しのべたことも明らかにし、米国は同国製の宇宙船でロシアの宇宙飛行士を帰還させることを申し出たと語った。一方、ボリソフ氏は、ソユーズのミッションが予定されていた期間に、定められたとおり完了することに期待を表明した。ソユーズMS-22の乗組員、ロシアのプロコピエフ氏とペテリン氏、米国のルビオ氏の3人の宇宙飛行士は、ISSの長期滞在クルーの交代が行われた後、地球に帰還することになっていた。
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