ロシア側は、査察や二国間協議委員会がない状態で、米国がロシアを条約違反と非難し、自ら履行を停止することは懸念していないかという問いに対して、リャブコフ外務次官は次のように答えた。
「もちろん、新STARTが成就しなかったことには、少なくとも深い無念さを覚えるが、それでも相手を『無理に』条約にとどめておく気も我々にはない。条約が双方の国益に客観的に応えるものであり続けるということに立脚して行動している」
軍備コントロールについての露米間対話はウクライナ問題のコンテキストで米国がどう行動するかにもかかっているとして、さらに次のように答えている。
「軍備コントロールについての議題を建設的に話し合うために、米国がどの程度の対露政策の調整をすべきかという基準については、ロシアは状況と米国の行動を総合的に分析した上で判断する。この際にウクライナ危機のコンテキストにおける分析が何にも優先するのは当然だ」リャブコフ外務次官はこう語った。
リャブコフ外務次官は、ロシアがエスカレーションを回避するためにいかなる措置を期待しているのかは米国は明確に理解しているはずだと確信を表した。
また、リャブコフ外務次官は、ウクライナがロシアの長距離航空施設を攻撃しようとしている時に、新STARTに基づいてロシアの戦略攻撃力施設の査察を再開するようロシアに要求するのは奇妙だと指摘した。
「米国はそこで一体何を査察するつもりなのか、という疑問が生じる。この攻撃の結果を調べる気なのか?」 リャブコフ外務次官は米国の意図をいぶかしがった。
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