右翼団体はロシア大使館のある麻布台に集まった。大使館の周辺は2方向から防護服に身を固めた警察が警備している。警察の発表では抗議行動は午前9時から開始された。
東京のロシア大使館付近の抗議行動
© Sputnik / エレオノラ シュミロワ
抗議市民は例年、麻布通り と 桜通りが交わるあたりに集まるため、警察はその周囲に特別なバリケードを築いている。
抗議市民は警察からの許可がおり、警察に随伴されるかたちで初めてバリケードから離れ、大使館へと続く通りに入ることができたが、許可された人数は一度に3、4人のみだった。またスローガンを唱えることができるのは大使館とは反対側の道路からのみで、警察官に周囲をしっかり囲まれた状態でのみ許された。
「自分の約束を守らないロシア、日本から出ていけ!」、「プーチン、北方領土を返せ!返せ!」こうした文言を抗議市民は大声で叫び、手には 「北方領土をロシアから奪還せよ」と書かれた横断幕やプラカードを握りしめている。
東京のロシア大使館付近の抗議行動
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抗議市民たちは日の丸を掲げて「島の返還」を求めるスローガンを叫ぶにとどまらず、ウクライナの国旗まで持ち込んで、反ロシア的な内容を叫び、ロシア大統領を貶めるような発言を行っていた。だが、この「北方領土の日」がウクライナ関連の事項とどういうかかわりがあるのかは不可解なままだ。
極右団体の街宣車はまた、麻布台に隣接する通りにも出現し、拡声器で北方領土の返還を訴えていた。ただし警察は街宣車の接近を認めるや否や「静穏保持法」第6条で拡声器禁止」と書かれたプラカードを持って走り出るため、それを見た街宣車は拡声器のスイッチを切って、通りを走っていった。街宣車の中には、日本とウクライナの国旗が描かれているものもあった。
東京のロシア大使館付近の抗議行動
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午後1時頃の時点で抗議者の数は10人程度。スプートニクが警察に、午前の抗議行動中はデモ隊の数はもっと多かったかを尋ねたところ、構成はほぼ変わっていないという返答を得た。午後3時には、デモ隊が集まっていたバリケードには、すでに誰もいなくなっていた。
これまでの発表では、右翼団体と警察との衝突などの報告はなく、ロシア大使館の広報でも事件が起きたとの報告はないことが確認されている。
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