「バイデンはパラレルワールドに住んでいる」 米大統領の議会教書演説を米評論家が斬る

バイデン米大統領は先日行った年次一般教書演説で国の置かれた状況を語り、民主党の支持固めは行えたが、下院で主導権を握る共和党との政治的な意見の相違を埋めることはできなかった。
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バイデン氏は演説で何を言いたかったのか

バイデン大統領は演説で共和党議員らに対し、民主党とともに米国経済再生に取り組むよう呼び掛けた。「我々は、何度も危機から脱却し、危機から抜け出たときはそれに直面した時よりも強くなっていった唯一の国だ」バイデン氏はこう語った。
その一方でバイデン大統領は、一部の共和党は高齢者の社会福祉や医療支援を削減しようとしていると発言したため、共和党から大きな怒声を浴びせられた。共和党の複数の議員らは公の場でバイデン大統領を「嘘つき」と罵倒した。
バイデンは、米国における記録的なインフレの原因をコロナウイルスのパンデミックとウクライナにおけるロシアの特殊軍事作戦の影響に帰し、ウクライナでの紛争は世界と米国にとっての「時代の試練」だと語った。

ジョー・バイデンのパラレルワールド

政治評論家でニュースマックスのコラムを執筆するマイケル・シャノン氏はスプートニクからの取材に「バイデンのスピーチは、自分が何年も前から思っていたことを立証した」と述べた。シャノン氏は「パラレルワールドは実際存在するのだ。そ して、今日我々はそうしたうちの一つからの報告を聞いたのだ」と語り、「バイデンのパラレルワールドでは、失業率は史上最低の水準にある。バイデンは、マクドナルドのレイ・クロックよりも迅速に雇用を創出している。公共料金もますます安くなる一方だ」と皮肉った。

「私たちの世界ではガスは40%値上がりし、公共料金は高騰している。それにバイデンが言っている雇用は加工された数値だ。これは新たな雇用ではなく、コロナウイルスで経済がストップした時に失われ、経済活動がスタートした今、以前にあった雇用が戻ってきただけだ。バイデンはあくまでアウトサイダーでしかない。そして、バイデンの世界ではバーナード・マドフ(編集:米国最大の金融詐欺師)の経理アドバイスを用いてバイデンは赤字を減らしている。私たちの世界では、制御不能な赤字がインフレを助長している」

気球撃墜事件 中米関係の安定化に打撃=中国外交部
シャノン氏はバイデン氏のスピーチでは多くの憂慮すべき問題点が省かれていたと指摘する。数ある問題点の中でシャノン氏は、中国の気球が米国の対空防衛の明らかな欠陥を露呈したこと、米国は気球を「監視」装置と見なしたにもかかわらず、それへの対応策についてはバイデン政権は優柔不断さを見せたことに言及するにとどめた。中国は気球について、気象観測用の飛行船に過ぎないと繰り返し主張している。
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