レオナルド・ダ・ヴィンチは、水ないし砂を入れた水差しを地面と平行に一直線に移動させる実験を書き残していた。水差しが移動する時、その中身は溢れたり、こぼれたりした。ダ・ヴィンチは水差しの移動速度が一定の場合は、中の水や砂は落ちず、落ちるにつれて加速することに注目した。この場合、落下物は容器から出た後は、水差しの移動による影響を受けなくなるため、水平方向の移動は停止し、今度は重力によって加速度的に下方に落下する。
また、ダ・ヴィンチは、水差しが一定の速度で均一に動けば、落下物は垂直な線を形成し、一定の加速度で動けば、傾斜した線が形成されることを発見した。しかし、ダ・ヴィンチが出した最大の結論は、水差しが物体に与える重力と同じ加速度で動くと、落下する物質が二等辺三角形を形成することだった。
ダ・ヴィンチはこの加速度を数式に表そうとまでしたが、手帳に書かれた計算結果から、行き詰まってしまったことがわかる。時代の先をいっていたダ・ヴィンチだったがこれを最終的に法則化するためのツールは足りなかった。それでも、計算の跡からダ・ヴィンチは物の落下の加速度の値を97%の精度で算出することに成功していたことがわかる。
スプートニクは先日、米国人学生らがダ・ヴィンチの残したスケッチに基づいたドローンを製作したニュースを報じている。
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