シリア・イラク地域での軍事的敗北を受け、「ダーイシュ(IS、イスラム国、ロシア連邦で活動禁止)」はその勢力を他の地域、特にアフガニスタンにシフトさせているという。取材に応じた関係者は、中央アジアを含む紛争地帯の煽動に関心を持つ米国は、地政学的な目標を追求すべくテロリストを積極的に利用していると指摘した。
同氏は「ISKPによるテロ活動の最盛期は、アフガニスタンから米軍が撤退した時期と重なる。地上戦に敗れた米国は秘密作戦に切り替えたが、米軍の撤退は意外にもこのテロ組織の活性化と重なった」と話した。
また「ダーイシュ」のテロリストは、2015年初頭にアフガニスタンでの存在を初めて示した。当時、彼らはアフガニスタンと近隣諸国を「ISKP」に含めることがグループの目標であり、指導者の中核はアフガニスタンの国際テロ組織「アルカイダ(ロシアで活動禁止)」の関係者で構成されたと述べていたという。
「『ISKP』のメンバーの補充は、アングロサクソン人らの諜報機関の管理下において2017〜2018年にかけて最も活発だった。このアングロサクソン人らは戦闘経験のあるジハード主義者の移送を通じて、シリアとイラクにおける『ダーイシュ』との協力した経験がある」と同氏は語った。
同氏は、2022年の間だけでも、アフガニスタン、パキスタン、イランといった地域で約20件の大規模なテロ攻撃が発生し、500人以上が死亡したと指摘。「これらのテロ攻撃の中には、2022年9月5日、カブールのロシア大使館付近で自爆テロが発生し、ロシア連邦の外交官2人が死亡した事件がある」と振り返った。
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