ボレル氏は、欧州対外行動局(EEAS)のサイト内のブログでこのように綴った。
「ニューヨークでのこの3日間は、国連が世界の状況を映し出すとても優れた鏡であるという古いことわざを裏付けるものであった。ウクライナに限らず、世界的な危機は山積しているにもかかわらず、世界的な対応は妨げられているか、不十分であることが明らかだ。リーダーシップと団結力が欠けている。ロシアの戦争、そして中米関係の緊張は、我々がしばしば『ルールに基づく国際秩序』と呼ぶものの構造を引き裂いている」
一方、ボレル氏は、世界の多くの国々が「EUの役割強化に可能性を見出している」と確信している。「多くの国々が中国への対抗勢力として、あるいは米国よりも信頼できる一貫したパートナーとして、EUを好ましいパートナーとして見ている。また、国際規範や多国間システムに忠実で、発展途上国の利益に配慮しているとみなしている」との考えを示した。
また、ボレル氏は「国連の活動に対し、EUほど体系的な支援を行っているパートナーは他にない」とし、EUは近い将来「危機に満ちた世界のニーズと期待の高まりに対して、より積極的に、より注意深く対応しなければならない」と指摘した。
先に、国連総会は、西側諸国が起草した「ウクライナにおける包括的、公正かつ永続的な平和の基礎となる国連憲章の諸原則」決議に関する反ロシア決議を採択した。141カ国がこの決議に賛成し、7カ国が反対、32カ国が棄権した。文面から判断できる限り、賛成派は「公正な平和」についてウクライナ的な見解を持っており、「総会は(国連)加盟国および国際機関に対し、国連憲章に従い、ウクライナにおいて包括的、公正かつ持続可能な平和を達成するための外交努力への支援を倍加するよう求める」と記されている。決議で指摘されているところによると、国連総会は、国際的に認められた国境内におけるウクライナの統一と領土の完全性へのコミットメントを再確認している。また、ロシアが「国際的に認められた国境内」におけるウクライナ領土からすべての軍を直ちに撤退させることを要求している。
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