プラスチックごみは大きな環境問題となっている。プラスチックの大部分は通常の条件下では分解しないかわりに、大きな粒子はより小さな、マイクロスコープやナノスコープでしか見えないほどの大きさに分解してしまう。学者の多くはこうした微小なプラスチックが飲料水に大量に入った場合、人体に脅威を与えるが、サイズの小ささと濃度から見つけることさえ困難だとの考えをしめしている。
学者らの開発した装置は金属板の間に薄膜を挟みこみ、そこに電流を流すというもの。これと同時にラマン分光法も実施された。ラマン分光法とは入射光と散乱光のエネルギー差を分析して分子の特性を把握する方法。その結果、たとえば30ナノメートルで総質量10マイクログラムのポリスチレン粒子の検出に成功した。
こうすることにより、以前は最低でも1日以上かかっていた微小のプラスチックごみの検出がわずか数秒で完了できるようになった。研究者らは、この技術を用いれば多額の費用をかけずとも効果的に飲用水の質の管理ができるようになると期待を表している。
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