露代表部の関係者は、リャキシェフ氏の発言について記者団に対し次のように明かした。
「リャキシェフ露代表は、日本が2022年からロシアに対して課している一連の一方的な貿易制限を批判した。リャキシェフ代表はこれが無差別と自由貿易の原則に相いれないと考えている。また、日本が制裁に加担したことや、特にロシアから最恵国待遇のステータスをはく奪したことについて遺憾の意を示した」
一方、リャキシェフ氏はロシア産原油、石油製品への上限価格の設定措置について、「差別的なメカニズム」と批判。このような行動は「貿易の自由化を危機に陥れるほか、WTOの役割を薄め、多国間貿易システムの細分化と侵食を促進している」と指摘した。
日本政府は2月28日、ロシアに対する追加制裁を閣議了解した。資産凍結の対象として、新たにロシア国防次官、ロシア大統領府高官、軍需大手「カラシニコフ」社の筆頭株主を含む48の個人、73の団体、特定銀行「ロスバンク」が加えられた。このほか、ロシアの21企業への輸出も禁止された。
日本はこれまでに、987の個人、129の団体、12銀行の資産凍結、国防関連の357団体、企業、研究機関への輸出禁止などの制裁を発動している。また、半導体、石油製品関連設備、ぜいたく品(宝石類、高級アルコール飲料、高級車)、量子コンピュータ、3Dプリンタなどの輸出のほか、新たな投資や金融サービスも禁止。ロシアからの金、工作機械、一部の木材、ウォッカなども禁輸となっている。
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