ロシアGPファイナル

【解説】フィギュア・露GPファイナル 注目選手、見どころを紹介

フィギュアスケートのロシア国内大会「ロシア・グランプリ(GP)・ファイナル」が4、5両日、サンクトペテルブルクで開催される。これまでに6回行われた露GPの各大会で勝ち抜いた綺羅星が集い、ナンバーワンの座を争う。スプートニクは日本語メディアとしては唯一、現地から大会の様子を伝える。ここでは、出場予定の選手や大会の見どころを、注目の女子シングルを中心に紹介する。
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今大会には男女シングルそれぞれ12人、ペア8組、アイスダンス10組の総勢60人が出場する。4日にショートプログラム(SP)、5日にフリースケーティング(FS)の日程で行われる。出場者や日程は暫定的で、直前で変更になる可能性もある。
ワリエワ選手

カミラ・ワリエワ(16)

2022年北京五輪団体金メダリストで、露GP第1、3戦で優勝。リズム感のある優美な動作と軽快さが抜きん出ており、高難度「ウルトラC」級の4回転ジャンプを次々と繰り出す。五輪以降はドーピング疑惑に揺れ、現在もスポーツ仲裁裁判所での論争が続いている。だが昨年末には、ドーピング疑惑に対する抗議としてプログラムに入れていた「黒のベール」について、「もういらない」と吹っ切れた様子。この1年で精神的な強さも身に着けた女王がみせる演技に注目が集まる。
トゥクタミシェワ選手

エリザベータ・トゥクタミシェワ(26)

ISU・GPファイナル(2014)や世界選手権(2015)でも優勝経験のあるベテラン選手で、異名は「女帝」。ただでさえ選手生命が短いフィギュア界で10代の強豪がひしめくなか、現在も第一線で活躍している。露GP第4、6戦では優勝を果たし、露選手権でも3位に食い込んでいる。よく語られる「妖艶な演技」はもちろん、トリプルアクセルなど高難度のジャンプを含めた安定感のある滑りが特長。大人の魅力と実力を兼ね備えたプログラムで会場を沸かせる。今シーズン、ISU・GPファイナル優勝の三原舞依選手(23)は友人だという。
アカチエワ選手

ソフィア・アカチエワ(15)

今シーズンの露選手権チャンピオンで、4回転トウループを含めたコンビネーションジャンプなど高難度の技が特長。昨年の露GP予選大会では思い通りの演技ができない場面もあったが、年明けからは完成度が増しておりファイナル優勝への期待が高まる。
ムラヴィヨワ選手

ソフィア・ムラヴィヨワ(16)

トリノ五輪金メダリストのエフゲニー・プルシェンコ氏に師事。以前から「順位より内容が大事」と演技の質を重視していると話していたが、最近では結果も伴ってきている。露GP第4、6戦では2位につけている。持ち前の表現力の高さと流れるように滑らかな演技で観客を魅了する。ちなみに、「美少女戦士セーラームーン」に登場するネコ「アルテミス」をあしらった小物入れを愛用している。
このほか、露GP第2戦で優勝したアデリア・ペトロシャン選手(15)や第5戦女王のソフィア・サモデルキナ選手(16)らも登場する。 一方、出場が期待されていた北京五輪女子シングル銀メダリストのアレクサンドラ・トルソワ選手(18)は背中の故障のため出場を辞退。北京五輪金メダリストのアンナ・シェルバコワ選手(18)は足の手術、リハビリのため今シーズンは全休となっている。
1 / 3

ミシナ/ガリャモフ両選手

2 / 3

セメネンコ選手

3 / 3

コンドラチュク選手

このほか、男子シングルには昨年1月の欧州選手権で優勝したマルク・コンドラチュク選手(19)のほか、北京五輪8位入賞のエフゲニー・セメネンコ選手(19)が出場。ペアには北京五輪団体金メダリストのアナスタシア・ミシナ選手(21)、アレクサンドル・ガリャモフ選手(23)も登場するなど、どの競技も目が離せない。

露GP大会

露GPは国際フィギュアスケート連盟(ISU)のGPシリーズから露選手が排除されたために企画された国内大会となっている。国際大会の表彰台を総なめにしてきたロシアの強豪が集う本大会では、世界レベルの演技が楽しめる。
露GPではISUのGPと同じように、各選手が第1~6戦の中から最大で2回出場し、順位結果に応じてポイントを付与。その合計点をもとに、露フィギュアスケート連盟がGPファイナル出場者を決定した。当初は南部ソチでの開催を予定していたが、1月にサンクトペテルブルクへの変更が決まっていた。
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