チャーチルはその演説の中で、世界は専制政治の危機にさらされていると宣言した。
「ソビエト・ロシアとその国際共産主義組織が近い将来何をするつもりなのか、彼らの拡張主義の限界がどこにあるのか、誰も知らない…」
演説でチャーチルは、中・東欧諸国はすでにソ連の勢力圏に入ったと述べた。
さらに、チャーチルは、ロシア人は「強さほど尊敬されるものはなく、軍事的弱さほど尊敬されないものはない」と指摘した。したがって、チャーチルは、西側の同盟国は、効果的な抑止力としての原子兵器を含む「かなり強い優位性」を確保する必要があると指摘した。
チャーチルのフルトン演説は、冷戦の出発点とされている。冷戦とは、ソ連と米国を中心とする社会政治体制の異なる2つのブロックが、グローバル規模で対立した構造のこと。冷戦は直接的な武力紛争に至ることはなく、1946年から1980年代末まで続いた。