記事によると、米国の年間防衛予算は8000億ドル(約108.5兆円)まで膨大したにもかかわらず、その資源はイラクとアフガニスタンの紛争に使われていた。2018年以降、中東での反体制派との数十年におよぶ戦いを終え、米軍の関心は中国とロシアによる脅威への対抗に転換したが、実際のところ米国の準備は整っていないことがわかった。
ゴードン氏によると、今日の米国において、効果的な抑止に不可欠な兵器・弾薬の生産量は十分な量ではないという。また長年にわたる中東でのテロ組織対応により、規模の大きい中国海軍に対抗するために米海軍が必要とする潜水艦の製造量が縮小。さらに米国は、極超音速ミサイルの開発において中国とロシアに遅れをとっていると記事では指摘。もう1つの問題は、米軍の新兵募集計画が上手くいっていないことであり、志願兵不足を招く恐れがある。
同氏は、国際情勢が悪化した場合、米国は対中国と対ロシアという2つの戦線での戦闘行為を強いられる可能性があると指摘する。戦闘劇場の1つは、砕氷船の数で米国がロシアに遅れをとっている北極海となる可能性もある。
一方でゴードン氏は、現時点で米軍はまだ戦闘力で主な敵国を凌いでいると指摘。加えて国防総省の研究開発年間予算は1400億ドルまで拡大したが、中国とロシアに対する米国の技術的優位性が確保されるのは2030年に向けてだという。
米国の退役軍人ノクティス・ドレイヴン氏はこれより前、米国はBRICSメンバーである中国とインドに依存しているがために、対ロシア戦で負けるかもしれないと発言した。
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