ポリャンスキー氏は、ウクライナと欧米諸国が提案した決議案の文言は最終的に軟化され、多くの問題は「弱い」ものになったと指摘している。決議案を提出した人々が抱いていた主な目的は、できるだけ多くの賛成票を得ることであったという。
ゼレンスキー大統領は投票の前夜、国連総会は自身の「和平計画」を承認するつもりだと発言したが、その計画は決議の文言から除外されたとポリャンスキー氏は指摘している。ポリャンスキー氏によると、多くの国々がこのイニシアチブを支持することを拒んだのは、その計画が非建設的かつ最終通牒だとみなしたためだという。この「和平計画」は、より多くの票を得るために削除されたとポリャンスキー氏は指摘している。
ポリャンスキー氏によると、国連加盟国が疑問を持ち始め、誰が和平に関心があり、誰が関心がないのかを見極め始めているため、欧米諸国がロシアを非難するアジェンダを進めることは難しくなってきているという。
国連総会は2月23日、欧米諸国が起草した6つ目となるロシア非難決議案を採択した。この決議案に141カ国が賛成し、7カ国が反対。32カ国が棄権した。
ゼレンスキー大統領は2022年11月中旬、G20サミットでウクライナ紛争の解決を目指した10項目からなる「和平のフォーミュラ」を発表した。この中には、「オール・フォー・オール」方式での捕虜の解放(これには、ロシアに向かった避難民も考慮されている)、ウクライナの領土回復、ロシア軍の撤退と軍事行為の停止、情勢激化の防止、紛争終結の確認などの項目が含まれている。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、ゼレンスキー大統領のこうした要求は「不十分かつ非現実的」であるとしている。
関連記事