パトルシェフ氏は次のように述べている。
「無人機についていえば、米国はいつも『我々は軍事行動に参加していない』と主張しているが、今回の件は彼らが直接参戦していることを確認することになった」
パトルシェフ氏によると、ロシアはすでに示した対応でこれに対抗することできていると指摘。「我々は独立と主権を守らなくてはならない」と述べた。
また、海に墜落した無人機の残骸の回収については、「できるかどうかはともかく、やってみる必要がある」とした。一方、露情報機関「対外情報庁(SVR)」のセルゲイ・ナルイシキン長官は、残骸回収について「技術的には可能」との考えを示している。
今回のインシデントについて、セルゲイ・ラブロフ露外相は、「核大国の衝突を招きかねないいかなるインシデントも、大きなリスクをはらんでいる。米国もそれを分かっていないことはないはずだ」とコメントした。
無人機に対して戦闘機をスクランブルさせたロシアの対応が「エコじゃない」とする批判に対し、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は「そこを飛ぶべきでない者が飛ばなかったらよかった。そうしたら環境にも優しかったのに」と話した。
一方、ロシア国防省によると、セルゲイ・ショイグ露国防相は15日、米国のロイド・オースティン国防長官と電話会談した。会談の詳細には言及されていないが、米国防総省関係者によると、今回のインシデントをめぐり協議したという。
露国防省によると、14日朝、クリミア半島近くの露領空に近づく米軍の無人機「MQ-9」が発見された。「MQ-9」は黒海上の暫定的空域使用体制で定められた境界線を侵犯し、通信機をオフにしたまま飛行していた。ロシアは戦闘機をスクランブル発進させて対応。その後、「MQ-9」は制御を失い海面に衝突した。露戦闘機はドローンに対して攻撃兵器を使用しておらず、接触もなかったとしている。一方、米側は「MQ-9」の墜落は露戦闘機の接触によって起こったと言い張っている。
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