NYメトロポリタン歌劇場、オペラ歌手ネトレプコに20万ドルの賠償を命じられる

米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場は、ロシアのオペラ歌手アンナ・ネトレプコに、2022年の公演の対価として20万ドル以上を支払うよう裁判所から命じられたという。米紙ニューヨークタイムズが判決文を引用して報じた。
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同紙では、このように述べられている。

「メトロポリタン歌劇場は、ネトレプコが昨年中止した公演に対して20万ドル以上を支払うよう、仲裁人から命じられた。メトロポリタン歌劇場は、中止となった13公演に対する賠償金をネトレプコに支払うべきだとの判断が下された」

同紙によると、ウクライナでの特殊作戦開始後、ネトレプコがロシアのプーチン大統領を非難することを拒否したため、歌劇場側が契約違反とみなし、ネトレプコへの支払いを受け入れなかった。しかし、仲裁人の指摘によると、ネトレプコには「プーチン支持者」である権利があり、彼女の立場は不適切ではない。また、ネトレプコとの契約によれば、コンサートに出演したかどうかにかかわらず、歌劇場側はネトレプコに報酬を支払う義務がある。
ネトレプコは、来シーズンについてもさらに40万ドルの賠償金を要求したが、契約書にはこれに該当する旨の規定がないため、この要求は認められなかった。一方で、ネトレプコは欧米の批評家に対する「不適切な」発言により3万ドルの罰金を支払うよう命じられたと同紙は報じている。
同紙によると、メトロポリタン歌劇場は、ネトレプコの夫でテノール歌手のユシフ・エイヴァゾフについても解雇を発表した。
2022年3月上旬、メトロポリタン歌劇場はウクライナ情勢を受け、プーチン大統領への公の支援を撤回する要求に応じなかったため、ネトレプコの今後の公演への参加を取りやめた。また、同じ理由でドイツのバイエルン国立歌劇場もネトレプコとの関係を断ち切った
その後、代理人はネトレプコが活動休止を決めたと発表した。さらにその後、ネトレプコはSNS上で公演再開を約束した。
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