穀物合意 現状と今後の展開

穀物合意の長期的延長に必要な条件を露国連大使が指摘

ウクライナ産農産物の輸出再開をめぐる穀物合意について、仲介役を務める国連とトルコは期限が切れる18日に合意延長を発表したものの、その延長期間には触れなかった。ロシア側は60日間に限って延長するとしている一方、ウクライナ側は120日間の延長と発表しており、双方の主張は食い違っている。こうした中、ロシアのワシリー・ネベンジャ国連大使は60日以上の延長に必要な条件を指摘した。
この記事をSputnikで読む
スプートニク通信の消息筋によると、国連もトルコも合意の延長を優先するため、主張が食い違う延長期間については言及しないことにしたという。
先にウクライナのクブラコフ復興担当副首相兼インフラ相は「合意は120日延長された」とツイッターに投稿していた。
これを受け、ロシア外務省のマリヤ・ザハロワ報道官はSNSに投稿し、次のようにロシア側の立場を説明した。

「我々は穀物合意の相手側より、120日間の延長で合意されたとの発表を目にしているが、外務省も国連大使も一度ならず表明してきた通り、合意延長は60日間とすることでロシア側は全ての関係者に通知してきた。いずれの側も口頭のみならず、文面でも連絡を受けている」

ロシアのワシリー・ネベンジャ国連大使は国連のマーティン・グリフィス事務次長に書簡を送った中で、60日間の延長後、再延長があるかどうかについてはロシア産農産物の輸出状況によるとした。具体的には、ロスセリホズバンク(ロシア農業銀行)とSWIFT(国際銀行間通信協会)の接続、ロシア向け農機具の輸出再開、穀物を搭載したロシア船向け保険サービスの再開、ロシア船の寄港許可、アンモニアのパイプライン「トリヤッチ・オデーサ」の操業再開、肥料を製造するロシア企業に対する制裁解除を指摘した。
穀物合意 現状と今後の展開
最貧国への供給はわずか5.4% 穀物合意
ウクライナ産穀物に関する協定の有効期間は120日。昨年11月18日に期限を迎え、再延長されていた。
ロシア産食品及び肥料に関する覚書の有効期間は3年となっているが、ロシア側はこの覚書が履行されていないと主張し、黒海イニシアチブの延長期間を半分の60日にとどめた。また、この延長は、ロシア産食品及び肥料に対する間接的・直接的制裁を解除するとの約束が全て果たされるという条件のもとで実現するとしている。
関連ニュース
国連が指摘 ロシア産食品・肥料を輸出する上での障害
【図説】延長合意も60日 「黒海イニシアチブ」とは
コメント