ゴルディ国防次官は劣化ウラン弾の供給の可能性についての質問に対し、次のように答えている。
「ウクライナに戦車『チャレンジャー2』を供与するとともに、劣化ウランを含む徹甲弾などの弾薬を供給します。こうした弾薬は現代戦車や装甲車を破壊するのにとても効果的です」
劣化ウラン弾は比較的コストが安く、貫通力が高いため、主に対戦車用の砲弾に使われている。一方で専門家によると、劣化ウラン弾の使用により地面に堆積したウランの塵は放射性があり、非常に危険で、がんの発生を促進するリスクがある。
これを受け、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は次のように述べている。
「本当にその通りになるなら、西側は核物質を含む兵器を適用しつつあることを鑑み、ロシアは相応の反応をせざるを得ない」
また、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相も露国営放送のインタビューのなかで次のように述べている。
「これが本当なら、英国はリスキーな道を歩むだけでなく、国際法に背き、戦争犯罪や人道に対する罪を犯そうとしているということだ」
劣化ウランを含む弾薬を世界で初めて使ったのはナチス・ドイツで、高密度タングステンの不足時に代用された。1970年代には米国も対ソ連戦車を念頭に開発を進めた。現在では米戦車「エイブラムス」の弾薬としても採用されており、独「レオパルト2」、英「チャレンジャー2」でも劣化ウラン弾が使われる可能性がある。米国は湾岸戦争や旧ユーゴスラビア空爆、イラク戦争などで劣化ウラン弾を使用している。
これまでに欧州安全保障協力機構(OSCE)の軍事安全保障・兵器管理に関する会議でロシア代表は、西側が劣化ウラン弾をウクライナに供与した場合、ロシアはそれを「汚い核爆弾」の適用とみなすと警告していた。
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