西側諸国によるウクライナへの兵器供与

中立国スイスの装甲車、ウクライナ軍に流出か 当局も調査

スイスで製造された装甲車がドンバスの前線でウクライナ軍によって使用されているとみられることが、西側メディアの報道で明らかになった。スイスは永世中立国であり、ウクライナへの兵器の供給をこれまで行ってこなかった。この装甲車がどのように戦闘地域に運ばれてきたのかは不明な点が多いが、第三国経由で流出した可能性もあり、スイス当局は調査に乗り出している。
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ドンバスで取材していたAFP通信のカメラマン2人がこのごろ、スイスのモワク社が開発した装甲車「イーグル」を撮影した。スイス紙「ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング」によると、「イーグル」が目撃されたのは、いずれも激しい戦闘が続いているドネツク人民共和国のアルチェモフスクとアヴデエフカだという。
これを受け、スイス国家経済事務局(SECO)のファビアン・マイエンフィシュ報道官は、スプートニクに対し、調査を進めていると認めた。

「スイスは事実関係の調査を進めており、ドイツ側とコンタクトをとっている。どれだけ時間がかかるかはわからない」

SECOのマイエンフィシュ報道官によると、スイスは1990年代に「イーグル」36両をデンマークに輸出。その後、デンマークはそのうち27両をドイツの民間軍事会社に再輸出するための許可をスイス側に要請していた。今回の件でデンマークはスイス側の照会に対し、スイスの同意なしに再輸出したことはないと回答しているという。また、車体番号によってのみ出所を追跡できるというが、SECOはそのための情報を持っていないとしている。
スイスはこれまで、中立の原則に従い、スイス国内で製造された弾薬のウクライナ向けの再輸出を迫るドイツ、スペイン、デンマークからの要請を拒否していた。スイス側は紛争地域で使用される可能性がある場合、軍事装備の再輸出を拒否できると説明している。
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