レオンコフ氏は、2018年にロシアが極超音速兵器「アバンガルド」「キンジャール」「ツィルコン 」を発表したことに言及し、米国はその後、極超音速兵器をつくるために「自分たちのすべての財政的な筋肉を緊張させた」と述べた。同氏は、欧州、オーストラリア、日本の専門家も開発に加わっているが、米国は適切な飛行モデルをつくることができずにいると強調した。
なお、レオンコフ氏は米国会計検査院の分析を引用し、米国が独自の超音速誘導技術を獲得するためには画期的な技術が必要だと指摘している。一方、同氏によると、「直ちに大急ぎで極超音速を手にするのは不可能だ」という。
「何らかの物体を極超音速で飛ばすのは可能だ。しかし、それが機動的な動きをし、標的に正確に命中するのは、技術的な観点からみて難しい作業だ」
レオンコフ氏は、「極超音速誘導技術とは、まず第一に、そのような速度で負荷と高温に耐えることができる材料の技術であり、飛行の物理・数学的モデリングとその実現だ」と説明した。
同氏は、ロシアはある地点から発射された極超音速兵器が迎撃されるのを防ぐためにその機動性によって予測不可能な動きをしながら標的に命中する技術を獲得したと締めくくった。
米メディアは先に、ロッキード・マーティン社の極超音速ミサイルAGM-183A ARRWの発射実験が失敗したと報じた。その結果、米国防総省は極超音速ミサイルの開発および製造で同社のサービスを放棄し、別の開発会社のレイセオンに望みを託すことを決めたという。
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