米国の「民主主義サミット」で露中に対抗する試みは失敗する=専門家

米国で開かれている「民主主義サミット」は、一部諸国と米国の関係を複雑なものにする。こうした考えを政治学者で露論説サイト「PublicО」の編集長を務めるボリス・メジュエフ氏が、スプートニクラジオに出演した中で語った。
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メジュエフ氏はスプートニクに対し、米国のロビー活動のための支出は、民主主義の発展には寄与せず、むしろ米国と一部諸国との関係にネガティブな影響を与えると語る。

「まず、だれに資金を与えるかという問題が起こる。もし、民主的な国の政府に対して資金を出すとするなら、その国はすでに民主主義国なのになぜ支援が必要なのか分からない。もし、民主的でない政府が相手だとすれば、もちろん資金を提供するわけがない。そうすると、非民主的な国のなかで民主主義のために闘う団体を支援することになるが、それが当該国政府と米国の関係悪化をもたらすことは避けられない。

 例えば、同じ民主主義の発展といっても、フランスとサウジアラビアでは大違いだろう。サウジの場合、こうした基金はすぐに閉鎖されるだろう。フランスについていえば、民主主義発展の観点から米国の支援が存在する意味があるとは思えない」

さらに、メジュエフ氏は「民主主義サミット」の米外交政策における成功に懐疑的な見方を示し、「こうした類のサミットは、呼ばれなかった一部諸国と米国の関係を複雑なものとするだろう」と話す。例えば、米国の同盟国であるトルコは会議に呼ばれていない。5月に予定されている大統領選で政権が変われば、米トルコ関係は非常に緊張したものになると予測する。
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一方、招待した国との関係が良くなるわけでもない。インドはサミットに呼ばれて民主主義を「呼びかけられた」形となったが、「インドはそれを嬉しいとは思わないだろう」とメジュエフ氏は指摘。このように米国が主導する西側諸国は120カ国を招待しようとも、味方を増やすことはできず、不参加国との緊張の高まりと関係の複雑化を招くだけというわけだ。
また、参加を拒否した国もある。パキスタンだ。メジュエフ氏は「パキスタンは友好国との中国の関係を損ないたくないという思いがあり、サミットで直接言及がないとしても中国を念頭にした宣言に署名するのを避けたいのだ」と説明する。また、来年以降もサミットが開かれた場合、ラテンアメリカからも同様の理由で参加を辞退する国が出ると予測。実際に、今回のサミットではブラジルは反ロシア声明への署名を拒否している。
メジュエフ氏は次のように締めくくっている。

「米国は国連をいわゆる『民主原理主義』を基礎とした国々の連合に改造しようとしている。だが米国政府でさえ、こうした手段でロシアと中国に対抗するために諸国を結束させることはできないと分かっているだろう」

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