【解説】ロシア核抑止の主力、ICBM「ヤルス」 特徴や性能を紹介

露国防省は29日、大陸間弾道ミサイルシステム「RS-24 ヤルス」を用いた核戦力演習を開始したと発表した。演習には3000人以上の兵士と約300台の車両が参加している。現在ロシアの戦略ミサイル兵器の大部分を占めている「ヤルス」とはどういったものなのか、どれほどの威力があるのか。スプートニクが紹介する。
この記事をSputnikで読む

「ヤルス」とは何か?

「ヤルス」は国営軍需企業「ヴォトキンスク機械製造工場」製の固体燃料を推進剤に用いた3段階式のミサイル。現在、ロシアの地上発射型戦略ミサイルの主力となっている。

ロシア語ではどういう意味?

ロシア語の「Yadernaya Raketa Sderzhivaniya(ヤーデルナヤ・ラケータ・ズデルジバニヤ)」の頭文字を取ったもので、日本語では「核抑止ミサイル」という意味。

「ヤルス」の性能は?

全長17.8メートル、重量46トンの「ヤルス」は地下ミサイル保管発射施設または可動式の発射機からの打ち上げが可能。1回の発射で多数の標的を攻撃できる複数独立目標弾頭(MIRV)を搭載している。
いずれのタイプのヤルスも発射前に破壊しようとする敵に難題を突き付ける。特に可動式は、広大なロシアの中を動き隠れることができるため、より発見が難しくなっている。
「ヤルス」は敵のミサイル防衛システムをすり抜けることができるように設計されており、ほぼ確実に目標まで到達することができる。
1 / 5

戦勝記念パレードで赤の広場を走行する可動式の「ヤルス」

2 / 5

2022年に行われた発射実験

3 / 5

戦勝記念パレードで赤の広場を走行する可動式の「ヤルス」

4 / 5

2022年の戦勝記念日を前にモスクワ中心部を走行する可動式の「ヤルス」

5 / 5

戦勝記念パレードで赤の広場を走行する可動式の「ヤルス」

ミサイルの射程は?

「ヤルス」は少なくとも1万キロ離れた地点を攻撃することができるとされ、最大で1万2000キロの範囲を射程におさめているとする研究もある。

「ヤルス」の威力は?

ヤルスの爆発の威力は通常火薬換算で500キロトンと推定されている。これは広島型原爆の約30倍にあたり、小規模の都市なら跡形もなく消し去ることができる。

開発、配備されたのはいつ?

「ヤルス」の開発がいつ開始されたかは明らかにされていないが、最初の発射実験は2007年5月に実施された。2009年には正式にロシア軍によって採用されている。

実戦での使用は?

「ヤルス」は配備されてからこれまで、実戦で使われたことはない。この恐ろしい兵器をロシアが解き放つのを余儀なくされる日が来ないことを祈るばかりである。
関連ニュース
【図説】米国の核兵器は欧州のどこに配備されているか
【視点】核爆弾の小型化と8種類の運搬手段 韓国の専門家が北朝鮮の核開発についてコメント
米国が核兵器に関する情報をロシアに提供しないのは新START条約への違反=露リャブコフ外務次官
コメント