「ヤルス」とは何か?
「ヤルス」は国営軍需企業「ヴォトキンスク機械製造工場」製の固体燃料を推進剤に用いた3段階式のミサイル。現在、ロシアの地上発射型戦略ミサイルの主力となっている。
ロシア語ではどういう意味?
ロシア語の「Yadernaya Raketa Sderzhivaniya(ヤーデルナヤ・ラケータ・ズデルジバニヤ)」の頭文字を取ったもので、日本語では「核抑止ミサイル」という意味。
「ヤルス」の性能は?
全長17.8メートル、重量46トンの「ヤルス」は地下ミサイル保管発射施設または可動式の発射機からの打ち上げが可能。1回の発射で多数の標的を攻撃できる複数独立目標弾頭(MIRV)を搭載している。
いずれのタイプのヤルスも発射前に破壊しようとする敵に難題を突き付ける。特に可動式は、広大なロシアの中を動き隠れることができるため、より発見が難しくなっている。
「ヤルス」は敵のミサイル防衛システムをすり抜けることができるように設計されており、ほぼ確実に目標まで到達することができる。
ミサイルの射程は?
「ヤルス」は少なくとも1万キロ離れた地点を攻撃することができるとされ、最大で1万2000キロの範囲を射程におさめているとする研究もある。
「ヤルス」の威力は?
ヤルスの爆発の威力は通常火薬換算で500キロトンと推定されている。これは広島型原爆の約30倍にあたり、小規模の都市なら跡形もなく消し去ることができる。
開発、配備されたのはいつ?
「ヤルス」の開発がいつ開始されたかは明らかにされていないが、最初の発射実験は2007年5月に実施された。2009年には正式にロシア軍によって採用されている。
実戦での使用は?
「ヤルス」は配備されてからこれまで、実戦で使われたことはない。この恐ろしい兵器をロシアが解き放つのを余儀なくされる日が来ないことを祈るばかりである。
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