先にトランプ氏は「第1級ビジネス文書改ざん罪」など34件の容疑で起訴された。
検察によると、トランプ氏は出版社のアメリカン・メディア・インコーポレイテッド、マイケル・コーエン氏らと結託し、大統領選での勝利に不都合な情報の買収、秘匿を行う上での仕組みを2015年に作り上げたとのこと。被告はこれにより、3名の個人に口止め料を支払い、2016年の大統領選勝利に影響を与え得る情報の秘匿を目指したという。検察は新たな証拠が集まったほか、より多くの証人があらわれたことにより起訴に至ったと説明。これらの支払いは非合法的だったと検察は指摘している。AFP通信によると、裁判の審議は2024年1月に開始するという。一方、CNNは2023年12月4日に早くも裁判が始まると報じている。
トランプ氏は起訴状を読み上げられると、これに激しく反発したという。被告は裁判所に2時間ほど滞在し、フロリダ州へと舞い戻った。
トランプ氏の弁護人を務めるジョー・タコピーナ氏は今回の起訴について、起訴状にすら証拠らしきものは含まれておらず、事実無根として起訴の内容を退けている。また、別の弁護人のトッド・ブランシュ氏は「完全に政治的な」裁判だと指摘している。
トランプ氏は歴代大統領経験者の中で、初めての「逮捕者」となった。トランプ氏は先月18日、「前大統領は来週火曜日(3月21日)に逮捕される、皆抗議に出て我々の国を守るんだ」とSNS上に投稿していた。日付こそ異なるものの、約2週間後の火曜日となる今月4日に実際に「逮捕」されることとなった。
自宅のある「トランプ・タワー」や手続きが行われたニューヨーク市内の建物の周りには、トランプ氏の支持者らが詰めかけた。トランプ氏はこれより前、「超現実的なことが起こっている」「私を逮捕しようとするなんて、米国で何が起こっているのか信じられない」などと自身のSNS上に投稿していた。
ニューヨーク州の大陪審は先月30日、トランプ氏を起訴した。先にニューヨーク州マンハッタン地区の検察はトランプ氏と不倫関係にあったと主張する元ポルノ女優に口止め料が支払われた問題の関連で捜査を進めていた。この問題をめぐってトランプ氏は疑惑を否定していた。起訴を受け、トランプ氏は声明を発表し、「これは政治的追求であり、大統領選に対する史上最高レベルの干渉」と反発した。また、検察を批判し、犯罪取り締まりをそっちのけでバイデン政権の利益を目的に「汚い仕事に手を染めている」と指摘した。
トランプ氏は2016年大統領選の前に元ポルノ俳優、ストーミー・ダニエルズ氏に弁護士を通して13万ドルの口止め料を支払った疑惑が持たれている。支払い自体に違法性はないとされるが、トランプ氏から弁護士への払い戻しは記録上「弁護士費用」とされおり、これが文書の改ざんに相当する可能性が指摘されている。
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